シミは私のお友だち

ひそかに陰を潜めていたシミが、次々と競うように肌の表面に現れ始めたのは、40代に突入した頃からです。

シミを隠したいので、ベースメイクは、どんどん厚塗りに。
そして化粧品の減るペースも随分早くなり、鏡に映る、どんよりした曇った自分の表情に、がっくりと肩を落とす毎日でした。

しかし、最近、「引き算メイク」というメイク法を知り、ある事を思い出しました。
私は23歳の時に、半年間、イギリスの語学学校に通ったことがります。
ロンドンから北に列車で三時間くらい走った場所でしたが、自然が豊富な田舎町でした。そこで、すごく素敵な先生に出会いました。散歩が趣味の彼女は、暇さえあれば、ポケットにおやつの果物をひとつ入れて、そこらじゅうを歩いてました。
休日も、自宅で飼っている愛馬に乗って遠出をするのが至極の時間のようで、とにかく、外で過ごす事が好きな女性でした。
いつも憧れの眼差しを向けていたせいか、ある日、私は彼女からドライブに誘われました。
愛車の小さなオープンカーも、ガブリオレタイプで、助手席でうっとりしていた事、今も鮮明に脳裏に焼き付いています。

しかし全く化粧っ毛のない彼女の顔には、かなりの数のシミとソバカスが。
透き通る色白の肌に乗っているシミとソバカスは、存在感がかなりのものでしたが、全く年齢を感じませんでした。
むしろ、それらが余計に彼女をチャーミングに魅せているようでもありました。
引き算メイクを知ってから、二十年ぶりに彼女を思い出しましたのです。

顔の造りや体質もあると思うので、シミやソバカスがあるからといって、彼女のようになれる訳ではありませんが、過剰に隠す必要はないのかも、と感じるようになりました。他の体の部位と同じで、歳を重ねてゆくと、老化は自然な流れ。
あまりに抵抗していると、後々、悪さをしてこないとも限りません。

私も彼女のように、「チャームポイント」までとはいかないまでも、「お友達」として受け入れる体制でいたいと、今は思っています。
そんな私も、最近では、引き算メイクも板についてきたようで、同年代の友人に、かなり好評で、身近なアラフォー仲間の間ではこのメイク法、かなり広まってきています。